前回の記事は、3.11から3年ということで、3.11の人々の行動と色の三原色を絡めて書かせて頂きました。

今回は、3.11の時、臨床心理士(医療従事者)として感じていたことについて綴ってみたいと思います。

3.11から始まったオーラソーマのコースは3日間+3日間の計6日間でした。多くの方がそうであったと思いますが、TVや新聞、インターネットなどで情報を収集していたことと思います。私はコース受講時は病院臨床で疲弊しており、休職中でした。3月末には退職願を出そうとしていた矢先の地震でした。コースの間、自分に何か出来ることはないか?と考えていたら、臨床心理士会がボランティアで現地入りする臨床心理士を探していると知りました。そのことを後半のコースでシェアしたら、恩師に「自分が大変なら無理しない方がいいんじゃない?」とアドバイスされ、肩の力が抜けたことを覚えています。

00.jpgこの状態、職業役割(ブルー)に自分自身が乗っ取られちゃったような感じ(グリーン)した。実際、途中で退職し、担当していた患者さんに対して申し訳ないような罪悪感も感じていました。完全に背負いすぎ(マゼンダ)です。医療現場は、人の生死に直面したり、辛さ、切なさ、やりきれなさ、悲しさ、抑うつなど(バイオレットなど)様々な患者さんの感情に寄り添います。基本的な専門知識、スキルは学んでいても、働く人の一人の生きている心と身体を持った人間です。臨床は生ものですし、マニュアル通りに行くものではありません。プロ意識が一人歩きすると、こういうった自分の本質と乖離してしまうことが起きます。

3.11からしばらくして、ネット上に現地に派遣された看護師さんのブログなどを目にしました。現地入りする前のガイダンスで、看護師長さんから、「被災者の方々は、とてもお辛い状況にいらっしゃるのだから、あなたたちは決して自分が涙を流すことがないように。そしてどこでも寝たり起きたり出来るように、現地の人の手を煩わせないように。」とのことでした。最もなことです。手伝いに行った人間が被災された方にお手数お掛けしたのでは何をやっているか分かりません。

でもあの状況を目にして、一人の人間として涙を流さずにいられる人はいるのでしょうか??その光景を見たり被災された方に寄り添うことも二次的な外傷体験(オレンジ)になりうる訳です。つまり、自分の本来の感情と離れて職業役割で「頑張る」ことが必要になってくる訳です。ご自分も被災された医療職の方は、本当に大変だったことと思います。

私の大学院時代の同期の臨床心理士も被災地の大学病院の周産期医療センターに勤務しており、しばらく音信不通で皆で心配していました。やっとメールで連絡が取れた時はほっとしたのを覚えています。被災後は、ヘリコプターで妊婦さんが運ばれてきて、出産と産後の心のケアをしたり、医師と道なき道を方向感覚を失いそうになりながら、車を運転して妊婦さんの元へ往診し、涙が出てきたそうです。

3.11の時だけでなく、援助職の人達は、「自分を後回しにする」(マゼンダ)という傾向のある方が多いように感じています。それは、職業上必要だからと言う訓練で身につけたものだけでなく、その方の本質と育ってきた過程で身につけてきたパターンによるものだと考えられます。

今までのお話をする上で、語りに内容のイメージに合う色をご紹介させて頂きましたが、実際のオーラソーマではこのような単純な色の見方をするのではなく、もっと奥が深いものです。ただ、現場で援助職の方がバランスを崩して燃え尽きてしまうことを防ぐための「鍵」がコンサルテーションで選ぶボトルの中から紐解いていくことが出来るのです。

続きはまた次回にお話させていただきます。